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産業廃棄物の処分場誘致に思う

能登半島に輪島市門前町大釜という集落があります。
山間に94才を最高に5世帯8人が暮らしている小さな集落なのですが、去年の秋からこの集落がニューヨークタイムスで紹介されるほど脚光を浴びています。
それは、産業廃棄物の処分場を誘致し、その補償金で移住することを決めたからです。

「行政が何もしてくれないから自分たちの行き場を探した。誰かが老人ホームを用意してくれるなら、産廃なんて呼ばない」というのが大釜地区の人たちの言い分らしいのですが、私はこの人たちは自分勝手だと思います。

限界集落(げんかいしゅうらく)とは、過疎化などで人口の50%が65歳以上の高齢者になり、冠婚葬祭など社会的共同生活の維持が困難になった集落のことをいうそうですが、日本全国の過疎地にはそういう集落が多く存在し、消滅する集落もあります。
財政再建団体となった北海道夕張市では高齢者の割合が6割以上といわれ、財政再建の前に市が消滅するのではともいわれ、「限界自治体」という言葉も使われるようになりました。
過疎高齢化は全国的な問題で、大釜地区だけの問題ではありません。

私の周囲にも一人暮らしや夫婦だけの高齢者世帯が多くあります。
家で生活できる人は、介護ヘルパーや地域の人たちの助けを借りて生活しています。
一人暮らしに限界を感じた人は、年金を使ってグループホームや高齢者の福祉施設に入所しています。
もちろん、都会の子供さんとの同居、もしくは子供さんの近くの施設に入所するため住み慣れた輪島を離れて都会へ出て行く人も少なくありません。

それらの多くの人は、子供たちを都会に送り出し、子供たちが都会で家を建てて生活していて帰ってくる当てのない人たちです。
今後使われる当てのない家や土地があるのですから、売れるものなら売っぱらって生活の足しにしたいだろうと思います。
しかし、過疎地の土地や建物がそんなに都合よく売れるものではありません。

大釜地区というところは、産廃処分場にできるという逆に好条件なところなのだと思います。
普通ならお金にならない山が、産廃処分場ならお金になります。
産廃処分場は全国で問題を起こしている誰もが嫌がる迷惑施設だから、多額の補償金を支払います。
だからといって、先祖から受け継ぎ、自分たちも耕し管理してきた田畑や山林をゴミで埋め立て、今後未来永劫にわたって奥能登の住民に迷惑をかけ続けるかもしれない産廃処分場にしてしまう、よくそんなことが平気にできるものだと私は思います。

「人様に迷惑を掛けるでないぞ!」それが親が子にかける願いであったはずです。
大釜地区の人たちは、そういう願いを自ら捨て去ってしまったようです。
現代社会にまん延する「自分さえ良ければ・・・」という風潮、都会の若者ばかりではなく純朴であったはずの田舎にまで及んでいるのを感じました。

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